喜ばれる想いのこもったギフト
東京生まれ。商業ラッピング協会認定講師。これまで、ラッピングディスプレー専門学校などの講師をつとめた。PTAや生協、企業、ハウジングプラザなどでラッピング講習会を行う他、マンションモデルルーム・ディスプレイなども手がける。

ラッピングそのものは主役ではなく、主役は中に入っている品物のほうです。
だから、私が、ラッピングをする上で心がけているのは、中身の品物自体が持つ
素晴らしさ、意味などを、ラッピングによって、気づかせることが出来ればいいな、
ということなのです。
人の気持ちを引き付け、一刻も早く中身を開けてみたいというラッピング、それはなにより、中に入っている品物への関心を高めてくれると思います。
ですから、ラッピングは商品自体を大切にする、そういう意味合いがあると私は考えています。

ラッピングの面白いところは、相手を想う度合いが、ラッピングに顕著に現れるという点。
私の好きなシンガーが、日本でコンサートをしたんです。
その方に、プレゼントを贈ろうと思ったのですが、私が着目したのは、そのシンガーが
コンサートで着ていた衣装。
衣装の色づかいや雰囲気をラッピングで再現しました。
衣装であれば、コンサートを見てくれていたんだ、ということに気づいてもらえますよね。
だからこそ、心の底から大切に思う相手なら、ラッピングにしたいと考えています。

私の場合、爽やかさに限らず、最初に「白」をベースにして考えます。
なぜ「白」なのかというと、白にはクリアとか清潔感などのイメージがあって、余計な印象を与えることがないため、プレゼントに相応しいのです。
ただ、そうは言っても、白ばかりだとブライダルっぽくなってしまう。
そこで、新緑の季節ということもあり、中央に緑の果実を入れてアクセントをつけました。
中央のリボンも、同じ白でもキラキラしたものをチョイスして、まわりの白と差異をつけている。
又、ネットの包みの中にある箱にも薄いデリケートな紙で包んでいます。
箱のまま包んでしまうのとでは、高級感を出す上では、大きな差が出てくるんですよね。

ゴージャスというとゴールドやキラキラしたものをイメージされる方が多いと思うのですが、それをラッピングでどう表現するのか、悩みましたね。
この箱でいうのなら、二色使いの大胆さがポイントで、スカイブルーのカラーペーパーと、ラメが入った不織布の2枚で包んでいます。
不織布はラメの入ったものを入れることで、ゴージャスさを際立たせている。
中央には、金のリボンをつけたのですが、迫力に欠けたので、それとは別に細めの金のリボンをつけて、クルッとカールをかけ、四方に散らばらせた。
金が溢れ出るような感じで、ゴージャスな雰囲気を演出しています。

これは、小さめな箱でラッピングしてみました。
ただ箱が小さいと表面で色々と表現するのが難しい。
最初、色々リボンを巻いてみたのですが、箱が小さい上ベースとなっている包装紙がストライプなので、細いリボンをかけたときに、メリハリがなかった。
それで、アクセントをつける意味で、中央に花を入れた。
それにより可愛らしさを添えられます。
そして花の後ろはピーコック型(扇のように広がっている型)で。
日本人って末広がりについては、先行きが広がっているということで、イメージが良く、「華やかな」印象を抱いているものですから。
その他、小さい箱をラッピングしていて、面白いなと思ったのが、逆にシンプルにしても印象的だな、ということ。
あまりゴチャゴチャさせず「たけのこ包み」にすれば、その折り目の面だけに注目が行く。かえって印象が強く残るのではないか、と思います。

10人いれば、10通りのラッピングがある。相手をきちんと見つめることで、きっと相手にとって素敵だと思われるラッピングができるのではないか、と思います。
そして、贈る人にとっても、相手に届くまでは、それが本当に喜んでもらえるかと、
ワクワク、ドキドキと、胸を躍らせているでしょうから、届くまでの過程は、
きっと贈り手の心にいつまでも残る、と思っています。
ラッピングは相手だけじゃない。贈り手にもそんな「楽しい想い出」という大きなプレゼントをもたらしてくれる。だからラッピングって素敵、私はそんな気がします。
