流されない。自分で決める—— PUERTA DEL SOLがくれる小さな勇気
自分のスタイルに迷いが生じるとき、背中を押してくれるのは何だろう? 言葉にできない衝動を、黙って受け止めてくれる存在。PUERTA DEL SOLのジュエリーは、そんな”声なき支え”として、指先や首元にさりげなく意志を宿す。その理由を、デザイナー・平野智靖さんに聞いた。
ROCK & LUXURY——意志あるデザイン
ロックって音楽やファッションの話ではなく、自分の信じることを貫く、そういうスタイルや精神のこと。そしてラグジュアリーも、高級という意味ではなくて、その精神を貫けること自体がいちばん贅沢なんじゃないかなと思っています。派手な装飾よりも、芯の通った美意識。そこに本当の価値があると感じていて、PUERTA DEL SOL(プエルタ・デル・ソル)のコンセプトに据えています。

スペインのマドリッドに「プエルタ・デル・ソル(太陽の門)」と呼ばれる広場があって、道路の原点、つまり「ゼロ地点」を示す場所なんですね。そこに惹かれて、ブランド名にしました。1995年のことです。何もないようでいて、無限の可能性を秘めている。ゼロからの出発——その言葉に、ブランドの原点やこれからの可能性を重ねました。
もともとジュエリーの原型づくりに携わっていたので、技術的なことは身についていました。PUERTA DEL SOLでは、品質とデザインの融合を大切にしたい。ラフを描いて、すぐに削り始める。実際に削り、考えながらデザインを決めていく。まるで立体でスケッチしていくような感覚です。数年かかることもありますが、自分の手でつくらないと細かいニュアンスが伝わらない。想いが伝わらない。だから、直接刻み込んでいくんです。

平野さんにとって、ジュエリーとは“削る”ことから始まる表現。素材でも工程でもなく、そこに込められた意志こそが、PUERTA DEL SOLのデザインを支えている。ブランド立ち上げから30年間変わらぬ姿勢は、流行に迎合しない強さの証だ。
“自分”を選ぶ美意識のために
チェスのナイトは、自由に、予測できない動きをする駒。その姿が、自分の理想像と重なったんです。実は私は午年生まれで、昔から馬には惹かれていました。チェスナイトシリーズは、ほかの駒を飛び越えるように、“攻め続ける姿勢”をかたちにしたコレクションなんです。

TATOOは、ファッションの一部として世界的に増加中です。それを身にまとう感覚で3D化したくて始めました。耐久性と質感の両立を追求するなかで、チタンコーティングは自然な選択でした。「好き」を表現するために、強さも使いやすさも妥協しない。機能美を損なわず、日常でのタフさを実現する。革新的でありながら、使う人の日常に寄り添える存在でありたいと思っています。

流行よりも、“自分”を選ぶ人に。そういう人にこそ、PUERTA DEL SOLを身につけてほしいですね。たとえば、周りと違っても気にしない、自分の美意識に芯を持っている人。ブランドとしても、そういう覚悟にちゃんと応えられるものでありたいです。
ミュージシャンから厚い支持があるのも、言葉より音で語る彼らが、何かを感じ取ってくれているからだと思います。
使いやすさも、強さも妥協しないのは、“好き”を貫くため。誰かの評価ではなく、自分の輪郭をくっきりと描きたい。そんな人に寄り添うジュエリーとして、PUERTA DEL SOLは存在している。
選ばれる理由は、語らなくても伝わる
無理に話題をつくるために誰かとコラボすることはありません。その人と自分の美学が交差したときだけ、自然にかたちになる。それが本物だと思うんです。だからこそ、アーティストや俳優が自発的に身につけてくれたときは、ものすごくうれしいし、報われた気持ちになりますね。

たとえば、ふとした街角で、誰かが身につけてくれているのを見かける瞬間があります。そのとき、「ああ、やってきてよかったな」って、静かに報われた気持ちになります。言葉はいらない。選んでくれたという事実に、すべてが詰まっていると思うから。
それが“ここぞ”という人生の場面だったり、アーティストのステージだったりすると、なおさらですね。
言葉はなくとも、“選ばれた”という事実が語ってくれる。ブランドとユーザーの関係は、いつも静かで強い。それは、信頼という名の絆だ。
流行に流されず、自分を信じて選んだものには、特別な力が宿る。PUERTA DEL SOLのジュエリーは、そんな選択に寄り添い、心に響く存在として日常を輝かせてくれる。音楽のように、言葉にしなくても想いを伝えてくれる——それが、このブランドがずっと大切にしてきたものづくりの姿勢だ。
(取材・文:ジェイウェル編集部)